このあいだの日曜日は、「砂町」というとても砂っぽい町で、コントライブの最終練習を行った。練習場所である公民館のようなところ、すなわち、最大1200円の駐車場より高い料金を取る駐車場を持ち、併設されている図書館で公民館のことを聞くと、ものすごく嫌な顔をされるような、ごく一般的な公民館のようなところで、一日中練習をしているものだから、さすがに集中力も途切れ、練習の途中、我々はまるで何かから逃げ出すように、砂町の砂っぽい商店街へ繰り出したのだった。それこそ、砂町には無いと思われた色鮮やかな桃源郷と少しのビールを求めて。
歩き始めて数分、もうこの町にはよそ者を寄せ付けないように意図して複雑に作られた一方通行しか無いのかと思ったその瞬間、
なんと言うことでしょう。
それまで砂っぽくて一寸先もほとんど見えなかった砂町の商店街から一切の砂が吹き飛び、突然高々とそびえる建物の煌びやかなファサードが顔を出し、色とりどりのドレスをまとった貴婦人達が日傘をくるくると廻しながらこちらに微笑みかけて来るではないか。焼き鳥を食べながら。よそ行きの洋服を着た品の良さそうな子供達も賑やかに我々の足下をすり抜けて行き、大人達はそれを幸せそうに眺めていたのだ。缶ビールを片手に。枝豆とかつまみながら。
は、待てよ、これはまさか、俺たちが夢見た、麦麦シュワシュワの理想郷ではないか!すごいぞ砂町商店街!ここには何でもある!まるで万年露店のような店がところ狭しと軒を連ねている!道で飲み会ができる!
言うが早いか我々は長い長い商店街を一気に駆け抜け、両サイドの店の品物を一品ずつ手に取り、下町情緒を満喫して練習に戻ったのでした。そしてちゃんと練習もしたのでした。
そしてよく考えたら砂町は砂っぽくないし、ファサードも無かったのでした。
商店街は素敵でした。
by so1
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